吹奏時の力のポイント(負荷)を体のどこに感じるか?

不調になるということ

まだ頑張れるのだが上に上がれない、逆に下の音をスカしてしまう(音域)、入力と自分のイメージして出力が釣り合っていない(音量、響き)という状態があります。逆にアンブシェアだったり、腹筋だったり、全身様々な箇所に力のポイントに力の作用感というか集中を感じ、集中させたぶんだけ音になるという時があります。

こういう時は「そこ」の意識を強化していけばどんどん上達できる感覚になります。しかし、しばらくそうやって吹いていると、やがてその力の集中感と出音の一体感見たいのが薄れて感覚も無くなってしまうという経験が何度もありました。

レッスンを受けた先生にこのことを相談すると、このような回答でした。
「そういうのがあるとしたら腹筋だ」
「私は腹筋で押していけばいくらでも上に上がれる」
「感覚が薄れるのはそこに頼りすぎてバランスが崩れているからであって、私もそういうことはあるが、バランスをチェックしていればいつでもその感覚をしっかり取り戻せる」


そういう演奏原理というのともまたちょっと違うのかと思ってまして、吹奏時にその人の中で相対的に弱い部分が意識される、吹いているうちにそこが強化されて他の部分とのバランスが拮抗すると何も感じなくなるということが起こっているのではないかと思います。この自分の中で起きている変化に気がつかず、以前の弱い部分を必要以上に強化しようとして頑張っている状態、そして今新たにボトルネックとなっている部分に気がつかないこと、これが不調なのではないかと思います。

何故腹筋なのか?

演奏時に内圧が高まれば体の各部位にはいろんな負荷を感じることになるのですが、腹部周りは骨で囲まれていない弱い箇所なので多くの人が「腹筋」などの腹部の周りに力の集中を感じるということではないかと思います。




負荷ポイントのローテーション

負荷を感じて練習することによりそこが強化されます。そして強化されるにつれて負荷の感覚としては弱くなっていきます。力が釣り合うからです。
そして相対的に次の弱い部分に負荷を感じます、、、このように負荷ポイントがローテーションされて全身が満遍なく強化されていくのではないかと思います。


  • 最初は演奏に動員できる体の箇所が少なく弱い。
  • 赤字の弱い部分に力の集中、引っ張り、疲労、軽い痛みなどを感じる
  • 負荷を感じて演奏することによりその部分は強化される。周囲とバランスが整うと感覚は薄れてる。
  • バランスが整った部分はより多くの部分が演奏動作に参加できるようになり出力も上がる。
  • そうすると新しく離れた部分に力の集中を感じる。


どんなところが負荷ポイントになるのか?

弱い箇所というのはその人の体格などに応じて無数にあります。そして上達の度合いや求める演奏スタイルの変化など同じ人の中でも変化していきます。この弱い箇所のいうのは絶対的な筋力ではなくて、その人の中でうまく働いていない箇所です。筋力というよりは神経の問題かもしれません。

自分が感じた場所はこんな感じです。



  • 耳の付け根
  • 顎周り(二重顎?になる部分)
  • 背中側の首の付け根から肩甲骨の間
  • 前の首の付け根、胸の上部
  • 腹筋全般(表面の腹筋から、骨盤上のあたり全般)
  • 太腿付け根、股関節
  • 腰(背面)
図にすると表面の皮膚に感じるという印象になってしまいますが、体の内部です。この中で強化されたからといって、外から見て、触ってわかるほど筋肉がついたなどというのはアンブシェアも含めてないのですが、ひとつ顎の下から前の首回り(二重顎などと言われる部分)だけに関しては、触ると筋肉がついたのがわかるようになりました。鳩の真似をして首を動かしたときに使う部分です。顎が上がらないように抑える動きのためでしょうか?

腹筋をバリバリに固めているうちは、そこより下の股関節や太腿上部が演奏に動員されているという感覚は発生しないと思います。ある程度腹筋は意識しなくても大丈夫となってから初めてその下に意識が向かいます。今負荷を感じていない部分もより体全体を使えるようになるといずれそこにポイントを感じたりと順番があるのかもしれません。

負荷を感じていなくても、強く働いている

周囲との筋力のバランスが取れてしまえば、そこは意識して力を込めたりする必要はなくなります。しかし負荷を感じないからといって、そこを使っていない、働いていないという訳ではありません。リラックスすることとは異なります。

ハイトーンプレーヤがしばしば発言する「唇、アンブシェアは全くのフリー状態」というのは脱力を意味してるのではなく、力が完全に釣り合っているためそうのような感覚が発生している状態なのではないかと想像してます。

どのくらいの期間でローテーションするのか?

自分の経験ではアンブシェア周り、顔周りの小さい部分は3日もすれば強化される、胴体、腹部の大きな箇所でも1,2週間でバランスが取れて感覚が弱まると感じてます。
筋力と言っていますが、数日で筋繊維量自体が増えることはないので、筋力というよりも神経の問題(マインドマッスルコネクション?)かも知れません。

スタートラインが人によって違う

トランペットを教える立場にある人はいわば才能のある人、天才ですから、元々弱い場所、うまく働かない場所が人よりも少ない人だと言えます。そのような人がプロとしてのキャリアをスタートしてから改めて気がつくポイント、人に指導したくなると感じるポイントというのはかなり全身隅々まで働いていて、更にその先の感覚であったりするわけです。
横隔膜を下げる、のどをさげる、開く、こういう指導をしても生徒にしてみるとそれ以前に弱い箇所、うまく働かない箇所が無数にあり、そこを感じるレベルに達していないわけです。それこそある程度正しい演奏姿勢を数時間キープすることすらままならない人もいるわけです。

基本的な身体能力というか感覚は人によってかなり初期パラメータが違う気がします。例えば電車で立ってられない人がいます。一人前のステーキも顎が痛くて辛くなってしまう人がいます。
このような人も広い意味では健康体なのですが、ラッパを吹く、アンブシェアを支えるということからするとスタートラインがかなり違うこととなります。多くの場合は骨格的なものに原因があり簡単には解決しない場合もあります。

人間の単純だ動作ですら完璧に説明できる人はいない

何故自分が歩けるのか完璧な理論で説明できる人はいません。
(ただ最先端のロボットではその辺解明されてるのかも知れませんが、、)

ところがトランペットを習うとなると、肩甲骨、腹筋、丹田、横隔膜、息を回せ、喉、舌、粘膜がどうの、と体の一器官のみの働き、意識が全てを解決するかのようないわば、武道における最強奥義「なんとか拳!」みたいな流れになっていると、今まで受けたレッスンや手にした教則本を読んで感じました。
もちろん「豊かな音のイメージで」なんてことしか言わない人よりも100倍良いのですが。

これらは間違いではないのですが、できる時が来たら自然とそうなっているという類の物です。何か特殊な技をプラスすることにより上達するのではなく、今自分の中でボトルネックとなっている部分に気がつきそこを修正するということが、地演奏力を強化することになります。そして、この地力が上がれば先ほどの先生の言わんとすることも自然とわかるでしょう。

表情筋の数、腹筋の数、腱の強さ、人によって身体の基本パラメータは随分違う

自分の現在のボトルネックというのは指導者が外からは正確に指摘することは難しいでしょう。そもそもプロというのは音楽家としてプロというだけですので。

自分の身体感覚から得られるフィードバックに注目するというのが一番大切だと思います。また音楽としては「表現できるかどうか」しかないわけですが、フィジカルな面は
できるかどうかではなく、同じことをやってみて数日間でどう変わるかという変化に注目するというのが良いかなと思ってます。そのためにはやはり最低毎日吹く必要があります。日を開けると感覚がリセットされてしまうと私は感じます。

程よい筋肉疲労と痛みの違い

「力の集中」と「痛み」の区別がつきにくいケースがあります。強化につながる程良い筋肉の疲労、張りと例えば顎関節症、肋間神経痛、腰痛になってしまうような無理な負荷の境目って難しいものがあるのですが、見極めのポイントとして演奏をやめたら元に戻るのは結構痛くても大丈夫、時間を置いて夜中とかに痛み出したり、熱を持つような感じ、時間差で来るのはまずいと自分では区別してます。また顎を強化しなくても別の部分の改善で顎の負担は減ったりなどはありますので、全身ローテーションしながらというのが大事なのではないかと思います。








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